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東京ワーキングマザーログ

「Big Little Lies 」ー 不穏で不安な母親たち

めずらしく先にドラマを観て、それから原作を読んだ。

舞台は、原作ではシドニー郊外(ドラマではカリフォルニア州モントレー)の海沿いの町。冒頭でまず誰かが死んだことが描写されるものの、詳細は伏せられたままに、話はキンダーガーデン(ドラマでは小学校)の新入園児オリエンテーションの日に遡る。この日に起きた起こったトラブルをきっかけに、新入園児の母親たちのあいだで不協和音が積み重なって行く。

ひとことで言えば、「デスパレートな妻たち」をすっきりドライにした感じ。「デスパ(以下略)」はこってり系のコメディだけど、こちらはもう少しシリアスで、シニカルなユーモアのあるドラマ。

メインの登場人物は、バツイチ再婚ママのマデリン、類い稀な美貌とリッチな夫を持つセレステ、訳ありシングルマザーのジェインの3人。それぞれに複雑な事情を抱えるこの3人のほかには、バリキャリ系ワーキングマザーやオーガニック系ビーガンママなど、キャラの濃いママ友たちが出てくる。

原作とドラマで設定が異なる部分が多々あるものの、物語の骨子はそのまま。冒頭の「誰かの死」の真相に向かって時間軸が進んでいく中で、親子問題、いじめ、不倫、DV、性暴力体験など、登場人物たちの抱えるさまざまな問題や事情が暴かれていくのだけれど、そこのところが結構リアルで面白い。

ただし、原作のほうは最後まできれいにまとまっているのに対して、ドラマのほうはシーズン2に向けてやや含みのあるエンディング。ドラマ独自のシーズン2と言えば、「ハンドメイズテイル」は最近原作者のマーガレット・アトウッドが「やっぱり続編を書く」と言い出して波紋が広がっていたけど、こちらはどうなっていくことやら…

あと、このドラマでは、主役3人を演じる女優たちの役へのはまりっぷりも見どころ。リース・ウィザースプーンは、本当にこういうちょっとウザい感じのキャラが上手いよね。まさに原作のイメージどおり。ニコール・キッドマンも薄幸の美貌妻感がハンパなく出てるし、ジェイン役のシェイリーン・ウッドリーも陰があって不安定な感じが上手い。この3人の続き、っていうだけでもやっぱりシーズン2、観たいかも。笑。