amamammelog

東京ワーキングマザーログ

生と死にまつわる吐き出し。

アメリカにいた頃、韓国人のクラスメイトから竹内結子に似てると言われたことがある。

ちょうど映画「いま、会いにゆきます」が韓国でヒットした直後だった。残念ながら私は竹内結子には似ても似つかないのだけれど、多分そのクラスメイトにとっては美人な日本人と言えば竹内結子で、「竹内結子に似てる」というのは日本人向けの褒め言葉だったんじゃないかと思う。近いのは年だけで、彼女の美しさには今も昔も程遠いものの、まー美人に似てると言われて悪い気はしなかったよね。今回の訃報に際して、似てると言われたことをふと思い出した。

コロナとの相関はともかく、今年は芸能人の自死による訃報が相次いだ。日本のドラマや映画に疎い私でもその名を知るような若い子たちが亡くなった。それらは遠い遠い他人事だったのに、今回の竹内結子には激しく動揺した。同年代、そして第二子はうちの息子と同じ今年の1月下旬生まれ。理由はともかく、ここから遠くない場所に突然母親を失って訳も分からずに泣いている子がいて、それが今私の抱いている子と変わらない幼さなのが辛い。めちゃくちゃ辛い。辛すぎて自分の息子を無駄にいっぱい抱きしめて、自由に遊びたい息子に迷惑がられてるほどに辛い。

母が突然亡くなったとき、弟はまだ2歳だった。当時の記憶はほとんどないけど、お葬式で伯母の腕に抱かれて笑う弟を見て、ほかの親戚が可哀想にと涙ぐんでいたのを覚えている。父の隣で、母の棺の白い菊をそっと差し入れたのもぼんやりと覚えている。特に辛くて悲しいときの思い出は、多分もう取り出せないどこかに封してしまい込んでしまったけど、子どものころは、寝る前によく、急に寂しくなって泣いたり、母の死を怒ったり恨んだりしていた。あれからずいぶん経って大人になって、すっかり乗り越えたつもりでいたけど、親に遺された幼子の話は今も私にはしんどい。しかも今や私も幼子を持つ母親の立場で、理由や死に方はともかく、母親としての辛さも想像に難くないから、しんどい。本当にしんどい。何なんだよ竹内結子ふざけんな、って言いたくなるくらい、訃報の流れた日は一日しんどかったし、今もふと辛くなる。

でも、私は死にたくない。何があったって生きていたい。生きて子どもたちが大人になるのを見届けたい。ほかにも生きていたい理由が山ほどある。見ず知らずの赤子を思って泣いたりもしたけど、どうかその子が私のように父親や他の親族の愛情に恵まれて、強く強く育っていくこと祈っている。